軽井沢スキーバス事故に思う

皆さんこんにちは。アンドリュー・Kです。

まず、最近「○○ 陰謀」という検索ワードでこのブログに来られる方がおられるようですが、残念ながらそこまでの陰謀論は何も書いてません…(汗)。

ブログのタイトルは割とインパクトある感じがしますが(自分で言うのかよ!)、記事の内容は大したこと書いていないです(汗)。

アクセス解析のページを見てタキ井上氏みたいな滝汗が出てきたので。

 

さて、軽井沢でのスキーバス事故、14人の方が亡くなるという大事故となってしまいました。

亡くなった方やそのご遺族、事故に遭われた方の気持ちを想うと、なんと言って良いのか分からないです。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

 

数年前の関越道の事故もそうでしたが、またしてもツアーバスの大事故となってしまいました。

 

この2日間の報道から考えた事をいろいろと述べていきたいと思います。

 

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男子大学生(20)によると、14日夜の出発時に「休憩で何回か止まります」とあやふやな説明があったほか、関越自動車道のサービスエリアで休憩し、再出発する15日午前0時40分ごろには「今後はどこか寄れる道の駅に寄ります」との趣旨のアナウンスがあった。この学生は「普通は時間や場所を具体的に説明するはずで、違和感があった」と話した。

確かに、普通は最初にこの場所で休憩するという明確なアナウンスがあるはずだが、ルート変更の可能性があったためこういったアナウンスを行わなかったのだろう。当初は高坂サービスエリアで休憩し東松山インターで一旦降りる予定だったが、事故が起きたバスは上里サービスエリアで休憩し藤岡インターで降りているとのこと。

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上里SAより先まで高速を使うと行程表上の高速代をわずかに超える。その先で上信越道を使うと計算上は行程表との差額が2000円ほどになる。その分だけイ社の利益は減る仕組みだが、高橋美作社長(54)は「経費削減のために下を走れということはない」と強調。目的地に早く着きすぎないよう一般道を使うことがあるとしている。

そもそもこの1回の運行に使える高速料金は3000円だったということが、確か金曜日の報道ステーションで報道されていましたが、長野の山奥まで行くのに3000円しか使えないのはちょっと厳しすぎるのではないかと思いました。これは旅行会社からバス会社への支払う運賃が相当安かったのかな…と思ってしまいます。そして、引用部分で引っ掛かるのは下道を使う理由に「目的地に早く着きすぎない」という理由。だったら、途中の休憩所で長時間休憩を取るなり、早く着いたら着いたで仮眠時間ということにすれば良いんじゃないのかなと思いますが、そこのとこどうなのでしょうか。たぶん経費削減が一番の理由であると思われますが…。

 

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今まで小さい車を運転していた人が、いきなり大きい車を運転しなさいと言われても無理だというのは、たぶん誰でもお分かり頂けるかと思います。この事故を起こした運転手さんは今まで小型バス専門で「大型バスには乗れない」と言っていたのに、大型バス乗らなきゃいけない状況だったんですよね。夜中の峠道、不慣れな大型バス…考えただけでも恐ろしいです。

 

そもそもこの65歳の大型バスを運転したことがない運転手さんがなぜ大型バスを運転しなければならなかったのか。ただでさえ、バスの運転手不足と言われているようですが、ここ数年の外国人旅行客の増加がその傾向により拍車をかけているとも言われています。

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 ただ、この外国人旅行客もこのまま増え続けるわけじゃないですよね。おそらく数年後にはこのブームはおさまっていると思われます。それに、中小・零細企業だと若い人を採用して自前で研修なんて余裕も無いんじゃないかと思います。だから、今のうちだけ…ということで、65歳の一応経験がある人が採用されると、そういう社会情勢の影響もあるはずです。

しかし、夜仕事をするというのはとても大変なことなのです。僕は普段夜勤中心で仕事をしていますから一応分かるつもりで書きますが、夜仕事をして昼間は寝るという普通とは逆のリズムの生活というのは本当に大変なんですよ。完全に夜勤のリズムに体を慣れさせていても、辛い時は辛いです。(それでも僕はバスの運転手さんに比べたらずっと良い環境で仕事が出来ているので、比べるのはちょっとどうかなと思ってしまうんですが…。)今回の事故を起こしたバスに乗っていたのは65歳と57歳の方で、いずれも60歳前後ですよね、そういった方たちが長距離の夜行バスの運転をしないといけないのは大変だと思ってしまいます。

社会情勢の話は置いといて、高齢の運転手さんを抱えているというのに、健康状態の把握もしてなかったというのは本当にいけないことではないでしょうか。

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点呼は道路運送法に基づいてバス事業者に義務付けられた業務。今回は、高橋社長がイ社の車庫(羽村市)で出発前点呼をする予定だったが、高橋社長が5分ほど遅刻したという。土屋広運転手(65)と勝原恵造運転手(57)=ともに死亡=は既に出発した後で、イ社は2人の当日の健康状態を把握しないままだった。

 

ここでもう一回料金の話に戻りたいと思います。

一方、ツアーを企画した旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)から、イ社が受け取った東京-長野県・斑尾高原間の往復運行代金が19万円で、同区間の国の基準運賃27万円を下回っていたことも判明した。

バス業界も厳しいが、旅行業界もこれまた厳しい。そしてスキー産業も以前のピーク時に比べたらかなり減っていると言います。そして今年は暖冬で雪が少ない。いろいろと苦しい状況が重なってしまいました。さて、「格安」「激安」と名が付いたツアーがたくさん販売されていますよね。検索するとすぐにたくさん出てきます。ですから、旅行会社はこれまたバス会社をこれでもかというくらい値切ってくるんでしょうね。特に今年は前述の状況があり、厳しかったと思われます。でも、この条件を受け入れないと仕事を回してもらえなくなる可能性もあると考えると、受け入れざるを得ないわけですよね。そういった価格競争下の中で、いろいろなものが犠牲になり、さらには安全面も犠牲になっているのではないかと思います。

また、もう一つの面で行くと、今の社会は、みんながみんなお金を持っているわけではないという点ですね。今回の事故を起こしたバスには、大学生を中心に若い人たちが多く乗っていました。大学生とか若者は時間があっても、お金が無い(人が多い)んですよ。だから、こういった格安・激安と名の付くツアーについつい手を伸ばしてしまうんですよね。最近は情報もたくさん手に入るようになり、選択肢も増えました。でも、「なぜ安いのか」そこを考えた上で選ぶ必要もあると思います。

「安い=危険である」必ずしもこの法則は当てはまる訳ではありません。全てが「安かろう悪かろう」ではないです。ただ、リスク・可能性という面で考えれば、よりお金をかけた方が自分の身を守れる可能性が高いと思います。ただ付け加えるならば、あくまで可能性が高いというだけです。正直、いつ死ぬかなんて分かりません。絶対に死なない、そんなことはあり得ません。いつどこに危険があるかなんて分かりませんから。

 

あとは、バスに乗る時はシートベルトをしてない人、多いですよね。

アナウンスがあってもしていない人が多いと思いますが、シートベルトをしてるのとしてないのとでは、いざという時に助かる可能性が全然違います。車に乗る時と同じようにシートベルトをする、何気ないことではありますが大事にしたい事ですよね。

こういった事故が二度と起こらないように、とは思いますが、おそらく事故というのは規模の大小は関係なくまた起きるものだと思います。自分の身をいかにして守るか、しっかりと考えないといけないと思います。

 

最後に、JR各社には今の時代に見合った夜行列車の復活を真剣に検討して頂けたらと思います。どれくらいの需要があるかは分かりませんが…。